「大和には　群山あれど　とりよろふ　天の香具山　登り立ち　国見をすれば　国原は　煙立ち立つ　海原は　かまめ立ち立つ　うまし国そ　あきづ島　大和の国は」…天香具山に立ち四方を望めば、あちらこちらで炊煙がたち、水鳥が飛び交っている。本当に豊かな国だ、大和という国は…千数百年の時を経てもなお人々の心に響く万葉の歌。悠久の刻が流れる奈良の、当時を偲ばせる美しい風景と万葉集の歌を合わせた趣あふれる写真集。奈良万葉シリーズ全6巻。

まっすぐな道や曲がりくねった道。地平線まで続く雄大な道。熊野古道などの険しい山道。行く手にそれぞれ未知の可能性を秘めているような「道」をテーマにした写真集。

波、しぶき、渚、砂浜や青い海、夕日に紅く映える海…。海は明るさ、厳しさ、恐怖、またときにはやすらぎや哀愁を私たちに感じさせる。状況によって相反する表情を見せる、日本各地の海の様々な姿を収録。

豊かな自然が広がる山村、奈良高山。自然と人々の調和した営みが、美しい故郷の風景を今に伝えている。茶筌作りの伝統の中で、受け継がれてきた日本の情景を心に伝える写真集。

「風」をテーマに寄せられた読者の文章を、写真と共に収録する。薫風にゆれる若葉や水面の風紋、また風に散る桜や紅葉など、風が起こす自然のゆらめきによって、目に見えない風の存在を写真の中で見事に表現している。

森を包み込む霧、旅愁もひとしおの山霧。大自然の中しっとりと幻想的な霧の、神秘的な表情を映し出した写真集。

真珠の輝きにも似たきらめく滴との静かな出会い。花や木々をみずみずしくうるおし、優しく命を与える滴の一瞬を紹介する。

新緑に萌える一本の大木や、高原の霧にかすむ幻想的な木立。また幾何学的な美しさを造りだしている山々の杉など大自然に力強く生きる樹木との出会い。その感動の一瞬を見事に映し出した写真集。

樹木と水、花々を中心に大地が奏でるシンフォニーを写真で表現。北の涯から南の島まで、精力的にカメラ行脚をこなしながら美しく力強い写真を撮り続け、見るものに感動を呼び起こす津田洋甫の芸術の集大成ともいえる写真集。