生誕160周年を迎えるフランスの詩人 、アルチュール・ランボー(1854-1891)。青春のなかに生き、刹那の輝きを世に残した、“天才”と称される彼は、日本でのフランス詩受容の歴史において、ボードレールとともにもっとも親しまれてきた詩人である。彼の作品の中でも、これまでに夥しい注釈がなされてきた詩篇、“VOYELLES (「母音」)”。それぞれの母音に色を見いだすという不思議な謎を秘めた内容である。
この写真集は、著者である平田裕貴が、詩篇“VOYELLES”に感銘を受け、「豊かな色彩」「意味の不確定性」という特徴において、自身の作品と共通するところを感じたことから生まれた抒情写真集である。